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本学教育学部附属小学校のいじめ事案への対応に係る報道について

 このたび、本学教育学部附属小学校(以下、附属小)で発生したいじめ事案への対応に係る報道記事がオンライン及び新聞に掲載されました。新年度を迎えたばかりの中、記事をご覧になり、附属小や大学の状況について不安や懸念をもたれた方も多いことと思われます。
 記事で言及されている、附属小及び教育学部におけるいじめ防止対策推進法等の諸制度への認識の不足、それに起因する文部科学省への重大事態の個別報告の遅延、並びに報告状況についての被害児童保護者に対する説明の誤りがあったことは事実であり、これらのことについて、附属小及び教育学部では、46日に被害児童及び保護者に謝罪をしました。
 なお、これらの事態の背景には、ガバナンスに関する深刻な問題があると考え、設置者である法人として第三者調査委員会を速やかに設置することとし、事態の客観的な把握と再発防止に向けた取り組みを進めてまいります。

 いじめ防止対策推進法においては、国立大学の附属学校においていじめに係る重大事態が発生した場合、学校は国立大学法人の学長を通じて、その旨を文部科学大臣に報告しなければならないとされています。しかしながら、今回の報道で言及されている事案につきましては、附属小及び教育学部において重大事態として認知し、文部科学省の統計調査「児童生徒の問題行動?不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査」ではその重大事態を踏まえた報告を行っていたものの、いじめ防止対策推進法第29条に定められた形での文部科学省に対する個別事案としての報告については、長期間にわたって対応できていませんでした。
 これは、附属小及び教育学部において、いじめ防止対策推進法等の諸制度に対する認識が不足しており、統計調査における報告をもって重大事態の報告を兼ねると誤認した結果、法人及び文部科学省への報告が不十分であったこと、他方で、そうした事態を法人として速やかに把握できていなかったことによるものです。本法人においては、本年2月に附属小及び教育学部から報告を受けたのち速やかに重大事態として文部科学省に報告を行いました。
 また、同様の認識不足に基づく誤認により、文部科学省に対する重大事態の報告の有無を尋ねた被害児童の保護者からの質問に対し、附属小として不適切な説明を行ってしまっていました。

 本法人としては、これらの事態を招いた要因として、ガバナンスに関する深刻な問題があると考え、状況を厳しく受け止めております。関係の皆様には深くお詫び申し上げます。
 このような状況を受けて、本事案に関しては、法人として第三者調査委員会を設置して調査を行うことを45日に決定しました。今後、速やかにこれを設置していじめ事案及び法人内のガバナンスに関する調査を行い、事態と経緯についての客観的な把握と、再発防止に向けた課題の抽出及び検証を行ってまいります。

 附属小では、これまでも児童たちのケアを第一に、全校を挙げて教育的配慮をもって対応してまいりました。引き続きすべての児童たちのケアに全力で努めてまいります。
 また、本法人としては、すべての教育学部附属学校園の幼児?児童?生徒及び保護者の皆様に安心していただけるよう、附属学校園の運営に関わるガバナンス上の問題の改善に真摯に取り組んでまいります。

 なお、今回の報道にあたっては、330日に毎日新聞社から附属小学校長及び教育学部宛の質問を受け取り、それに対して、法人として46日に回答いたしました。回答にあたっては、法人として関係者へのヒアリング等に基づく事実確認を行い、児童に関する機微な情報を除き、できる限りの情報を開示して、概ね以上のような内容について回答してまいりました。回答は文書とともに複数回の電話取材にも真摯に対応してまいりました。その上で、本法人からは、これまでも児童たちのケアを第一に、教育的配慮をもって現場で対応してきたものであり、現在もすべての児童たちのケアに努めた上で慎重に進めていることから、その点について配慮をいただくよう同新聞社に伝えていました。一方で、今回の報道記事には同新聞社が独自に入手した児童に関する機微な情報が含まれてしまっており、大変残念なことと受け止めています。

令和547
国立大学法人 茨城大学
学長 太田寛行