「茨城県北ジオブック」茨城新聞社より発刊
―地質?地理の魅力いっぱい 30のストーリーとジオマップ
本学の太田寛行学長が会長を務めた茨城県北ジオパーク推進協議会と、本学教員等で組織された茨城大学茨城県北ジオパーク委員会(いずれも2022年3月末をもって解散)を著者とする『茨城県北ジオブック』が、2022年9月17日、茨城新聞社より発刊されました。
茨城県北ジオパーク推進協議会は、茨城県北地域の10の市町村と筑波銀行、茨城大学が連携して構成(茨城県がオブザーバー参加)し、活動してきました。茨城県北ジオパークは日本ジオパークネットワーク(JGN)の審査によって2018年に認定を取り消されましたが、その後もしばらくは「茨城県北ジオパーク構想」として活動を継続し、以降、市民を中心とした活動への発展が見られたことから、同協議会は2022年3月31日をもって解散しました。
その間、同協議会及び茨城大学茨城県北ジオパーク委員会では、茨城県北ジオパークに関するこれまでの研究や活動の成果を多くの方に伝え、今後も地域の振興へとつなげることを目的に、一般書籍の制作を進めてきました。このたびその書籍が完成し、『茨城県北ジオブック』として発刊されることとなりました。
同書は、茨城県北の多様なジオサイトに関する30のストーリーを柱としており、あわせてカラーの写真やイラスト、地図がふんだんに盛り込まれています。茨城大学の地質学や地域研究の研究者が執筆したストーリーは、「太古の深海へ飛び込むバンジージャンプ」(竜神峡ジオサイト)、「海岸の絶景に魅了された天心」(五浦海岸ジオサイト)、「水戸城はなぜここに建てられた?」(水戸?千波湖ジオサイト)、「日立に貴重な地層がある理由」(日立ジオサイト)などのキャッチーなタイトルを冠し、学術的な知見をベースにしつつ、中学生?高校生の読者を想定したやわらかい文章とイラストでまとめられています。
また、巻末の「ジオを歩く」に掲載されている6つのMAPは、本学学生で構成する「地質情報活用プロジェクト」出身の大学院生4名が、理工学研究科(理学野)の小荒井衛教授とともに作成したものです。各ストーリーとも対応させる形で、読者がジオサイトを訪れながら理解を深めることができるよう工夫されています。
全体の監修も務めた小荒井教授は「この本を読んだ中学生?高校生の中から、将来ジオに関する研究を志す人が輩出されてほしい。また、地域住民の方々にも、自分の住んでいる地域のジオの魅力を再発見し、誇りに思ってもらえたら」と話しています。
茨城県北ジオブック
発刊日:2022年9月17日(第1刷)
著 者:茨城県北ジオパーク推進協議会?茨城大学茨城県北ジオパーク委員会
発 行:茨城新聞社
制 作:時の広告社
定 価:本体1,000円(税別)