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SDGsをテーマとした若手事務職員の学習会を実施

 2030年までに持続可能な世界を目指す国際的な目標、SDGs。茨城大学では、長年にわたるサステイナビリティ学の研究?教育を通じて持続可能な社会づくりを進めてきました。また、20213月に策定した「イバダイ?ビジョン2030」において、「産業界や地域社会との連携を強化し、SDGsやカーボンニュートラルを目指す社会の課題解決に向けた研究や研究成果の社会還元を推進する」ことを掲げ、SDGs達成に向けた研究や大学運営をおこなっています。また、今年度からSDGs推進のための特別プロジェクトを学内に設け、部署を超えて集まった教職員のメンバーが、様々な取り組みを検討しています。

 同プロジェクトのミッションのひとつ、「学内におけるSDGsへの理解促進とそれを活かした多様な視点からの大学運営」を達成するための取組みの一環として、このたび、主任以下の事務系?技術系職員を対象とした「若手テーマ学習会」を実施しました。

 今回のテーマは「茨城大学におけるSDGs推進について考える」。2013年から隔年でおこなっているこの学習会は、担当業務の垣根を越えて大学が抱える課題に取り組み、大学職員としての広い視野を得ることを目的としており、そこで生み出されたアイデアを大学運営の活性化に活用してきました。

 今年度は8名の職員が参加。927日に行われた第一回の研修では、学長特別補佐(SDGs推進)を務める人文社会科学部の蓮井誠一郎教授が「大学業務とSDGs―取り組むべき理由と意義―」と題し、レクチャーをおこないました。蓮井教授はSDGsのしくみや目標、茨城大学とSDGsの歴史などを解説し、SDGs達成のために大学職員としてできることや意識の持ち方などを受講者にアドバイスしました。

DSC_4343 講演する蓮井教授

 その後、1011日の第二回の研修では、2つグループに分かれ、SDGsの視点を踏まえて取り組める業務改革や新たな企画について議論。役員等を前にプレゼンテーションを行いました。

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 このうち、ひとつのグループは、健康や働き方、経済成長という目標に注目し、時間外労働の削減やテレワーク(学外勤務)の推進、週休三日制などの導入を提案しました。また、教育や労働の環境改善の取り組みとして、自然の景観を活かした観光地としてのキャンパスの価値創出という視点を示しました。
 また、もうひとつのグループは紙資源の保全というテーマを掲げ、学内の紙使用の状況を調べた上で、紙資源の問題への対処が「貧困をなくそう」「働き方も経済成長も」といった目標の実現にもつながると述べました。具体的には、デジタル化によって紙の使用量を削減するとともに、どうしても必要となる紙資源に関しては、バナナペーパーなどのフェアトレード品を組織的に購入することで、貧困解決に寄与し得るといったアイデアを示しました。
 両グループの報告内容は、部署を横断したメンバーによる議論と、SDGs17の目標を踏まえ、ひとつの取り組みを他の課題とも関連づけて評価したり立案したりする視点が織り込まれていました。

DSC_4644 プレゼンテーションの様子

 プレゼンテーションのあとに講評を務めた蓮井教授は「今日の議論の成果が形となり、横に広がっていくことが大事。紙資源の問題が貧困の問題につながっているなど、今目の前にあるものの向こう側に何があるのかを考えることを、ひとりひとりの構成員が意識できるようになれば、本物のSDGsの実現につながるのではないか」と話しました。

(取材?構成:茨城大学広報室)