ボードゲームでSDGsを学ぼう!
茨城大学と連携協定先自治体との実務者間意見交換会を実施
茨城大学社会連携センターでは、大学間協定または学部間協定を締結している連携協定先の自治体の担当者と「実務者間意見交換会」を開催しています。本会合は、連携協定に基づく活動状況の報告や確認、新しい動向等の情報交換、出席者による意見交換などを行って、よりよい連携活動の展開につなげていくことを目的とし、年に一度実施しているものです。
例年は懇談形式でテーマに沿った意見交換をおこなっていましたが、今年は参加者同士の交流や気づきを得てもらうことを狙いとして、SDGsを題材としたボードゲームを使ったワークショップをおこないました。
ファシリテーターには、ダイドードリンコ株式会社首都圏第二営業部つくばオフィス課長で、防災士やSDGsボードゲーム認定ファシリテーターなどの資格をもつ松崎貴志氏を迎え、本学の菊池あしな理事(ダイバーシティ?国際?SDGs担当)や中村麻子社会連携センター長、学生、自治体担当者のあわせて18名が参加しました。
今回のワークショップで使用したのは、SDGsに関する取り組み事例をわかりやすく、楽しみながら学ぶことができるボードゲーム「Sustainable World BOARD GAME」。限られた時間と予算をうまく活用し、他のプレイヤーとの協力により、SDGsが掲げる17のゴールを目指すというものです。プレイヤーはそれぞれ「大企業」、「中小?ベンチャー企業」、「慈善団体」、「大学?研究機関」の立場となり、各団体の特性(資金の大小、営利?非営利など)に基づいて支給される年間予算や協業の可否、ランクアップなどの条件をもとにして、協同して17のゴールの達成を目指していきます。
プレイヤーはサイコロを振り、止まったマスと同じ形のカードを引きます。ミッションカードには環境、社会、経済の3つのカテゴリがあり、各ゴールのスコアを上げるためにはそれぞれのカテゴリのミッションをバランスよくこなしていく必要があります
2021年現在のSDGs達成状況を反映したスコアからスタート。SDGs達成を目指す2030年までに、できるだけ多くのゴールのスコアを最大(10)に近づけられるようにチームで協力してゲームを進めます
参加した自治体参加者からは「『環境』のカテゴリで苦戦し、いいバランスでスコアを伸ばすことができなかった。民間企業や自治体、大学が連携して取り組まないとできない事業があり、ゲームをとおして各方面で連携することが大切だと実感した」、「連携して物事に取り組むときは、コミュニケーションを通じて方向性を一致させると、事業が進めやすいと感じた。ここで感じたこと、学んだことを自治体内だけでなく、外に発信していけたら」との感想が語られ、SDGsの概要を知るだけでなく、連携すること、コミュニケーションを積極的にとることの大切さを実感したようです。
松崎氏は「何かをよくしようとすると、別の何かのスコアが下がってしまうなどして、すべての目標を一律で達成することは難しいということがわかったと思う。今回のSDGsボードゲームをおこなって得た知識や意識の持ち方を、ぜひ各自治体に持ち帰って共有してもらえたら。個人として、団体として、SDGs達成のためのアクションに結び付けていただきたい」と参加者に呼びかけました。松崎氏によると、今後はより実感を得やすくするために、茨城県版を作成する予定とのことです。ゲームをとおして県内の事例を共有することで、より具体的なアクションに結び付けたいとしています。
ボードゲームの様子を見守った本学の鳥羽田英夫理事(社会連携担当)は「SDGsは高校生にも非常に関心の高い取り組みで、それに基づいた行動を実践しようとしている。今後も自治体同士の横のつながり、大学とのつながりを強化し、ともにSDGs達成に向けて進んでいきたい」と話しました。
(取材?構成:茨城大学広報室)