文科省「大学?高専機能強化支援事業」に採択!
理工学研究科情報工学専攻の入学定員を来年度から大幅増員
―地元産業界との連携で製造DX担う人材育成を強化―
茨城大学の計画がこのたび、文部科学省の「令和5年度大学?高専機能強化支援事業」に採択されました。これは、デジタル分野の人材育成の強化を図り、来年度(令和6年度)より大学院理工学研究科博士前期課程情報工学専攻の入学定員を現在の30名から70名に大幅増員するというものです。増員を含めた本学のプランに合計10億円が支援されます。
わが国において、DX(デジタル?トランスフォーメーション)やGX(グリーン?トランスフォーメーション)などの社会?産業の変化に対応?推進する人材の育成及び研究の強化はきわめて重要な課題です。今年度、独立行政法人大学改革支援?学位授与機構では、「令和5年度大学?高専機能強化支援事業」として、大学や高等専門学校におけるデジタル?グリーン等の成長分野の学部設置等に必要な資金を助成する公募事業を行っており、本学では大学院理工学研究科博士前期課程の情報工学専攻の入学定員を増員する計画を申請していました。
この計画では、令和6年度から理工学研究科 博士前期課程 情報工学専攻の入学定員を30名から70名へ増員し、さらに令和7年度には工学部情報工学科の入学定員を80名から90名に、令和8年度には博士後期課程社会インフラシステム科学専攻の入学定員を8名から10名にそれぞれ増員するという見通しを立てています。
今回、その計画が同公募において採択され、これらの増員を含めた本学への支援(合計10億円)が決定しました。
茨城県北地域は、日立製作所を原点とする電機製品に加えて、産業用機器、車載用機器、半導体製造、建設機器など広範な分野の先端製造業の拠点となっていますが、これらの産業においてもITを利用した高度な課題解決能力を身に付けた技術者が必要とされています。今回の工学部?理工学研究科の取り組みは、そうした製造DXを担う技術者輩出への地域社会のニーズを踏まえ、計算機科学の教育で実績を有する情報工学専攻を、地元産業界との連携のもと拡充?強化するものです。株式会社日立製作所やJX金属株式会社、日立Astemo株式会社といった企業とも連携し、現在実施している大学院生の長期インターンシップを拡充するなど、オフキャンパスでの体験もより重視します。
また、小中高等学校の児童生徒へのプログラミングや情報教育の支援、大学院生による高等学校「情報Ⅰ」の授業サポート、女子生徒の多い高校向けの製造DXの模擬授業なども計画しています。
茨城大学工学部の乾正知学部長は、「計算機科学と製造DXの両方に長けた技術者を育成すると同時に、茨城県で技術者として活躍するキャリアパス教育を進め、大学院修了後に県内製造業に就職する高度デジタル人材を増やしたい。また小中高等学校とも連携して、理工系の楽しさを学ぶ教育プログラムも実施し、デジタル人材の育成を切れ目なく進めていきたい」と話しています。