文科省「人文?社会科学系ネットワーク型大学院構築事業」に採択
ダイバーシティ?マネジメント地域共創リーダー教育プログラム
茨城大学を代表校に宇都宮大学?常磐大学との3大学院で連携
茨城大学が文部科学省の「令和5年度 人文?社会科学系ネットワーク型大学院構築事業」に申請していたプログラムが、9月19日、採択されました。このプログラムは、茨城大学を代表大学、宇都宮大学?常磐大学を連携大学として展開する「多様性と脆弱性の尊重から始まるインクルーシブ社会の構築により、?機会創出?と?課題解決?を実現するダイバーシティ?マネジメント地域共創リーダー学位プログラムの構築」というものです。茨城大学大学院人文社会科学研究科、宇都宮大学大学院地域創生科学研究科、常磐大学大学院人間科学研究科が協力し、2024年度までを準備期間として、2025年度から教育プログラムを開設します。
文部科学省が進める本事業は、複数の人文?社会科学系大学院や産業界?公的機関等がつながる教育研究ネットワークの構築により、チーム型の教育研究や組織的な就職支援体制への転換を図り、社会の期待に応える新たな人文?社会科学系の高度人材の養成とキャリアパスの拡大?処遇向上、大学院教育の質的改革を進めることを目的としています。令和5年度は全国で5つのプログラムが採択されました。
茨城県や栃木県といった地域においては、首都圏に近いという潜在的価値を十分生かすことができていないこと、デジタル社会の進展を含めたウェルビーイング重視とオープンイノベーションへの対応、女性議員や公務員?企業の女性管理職の割合の少なさといった地域課題を抱えています。その解決には、インクルーシブ社会や多様性に関する理念を深く理解し、ダイバーシティ経営や持続可能な地域経済の発展に貢献する人材の育成が必要です。人文?社会科学系の大学院はそうした使命を強く帯びているといえます。
一方、茨城大学大学院人文社会科学研究科は、小規模で閉鎖的な研究指導体制になりがちであるため、社会との接点を広げることによって大学院生、修了生の価値を広く示していくことが喫緊の課題となっていました。
そこで、同様の課題を抱える宇都宮大学、常磐大学の人文?社会科学系大学院と協力し、ダイバーシティ?マネジメントの係る視野とスキルをもったリーダーを育成する新たなプログラムを構築することとなりました。
具体的には、茨城大学大学院人文社会科学研究科のサブメジャー(副専攻)として、「ダイバーシティ?マネジメント地域共創リーダー教育プログラム」という教育プログラムを新設します。このプログラムでは、「ダイバーシティ地域経営概論」「ダイバーシティ地域経営最前線」等の科目を用意し、プログラムに関連する各科目において3大学の研究科間で単位互換や研究(指導)委託を可能とします。また、教育専門職であるUEA(University Education Administrator)のサポートにより、企業?自治体?NPO法人にて有給で働きながら学ぶコーオプ教育や、海外機関での共同研究?インターンシップの機会の提供、さらには組織的なキャリアサポートを進めます。
茨城大学大学院人文社会科学研究科 原口 弥生 研究科長のコメント
理工系の人材養成を重視する大学改革が進む中において、人文?社会科学系の高度人材の育成の必要性に注目し、複数の大学や企業?自治体が協力して、修了生が社会で高度人材としての価値を認められ、活躍できるチャンスを広げるようなプログラムを展開できることは、茨城や栃木といった地域の持続可能性を高める上で重要な一歩になると考えています。
2030年までのSDGsの達成の困難さ、気候変動への対応、企業等に求められる人権?倫理への高い意識といった社会背景を考えても、多様性と脆弱性の尊重から始まるインクルーシブ社会の構築に具体的に貢献できるような高度人材の育成は不可欠です。さまざまな方たちとの相互理解?協働により、ダイバーシティによって機会創出、課題解決がもたらされるような社会の実現を図っていきます。
ダイバーシティ?マネジメント地域共創リーダー教育プログラム
実施体制と役割分担のイメージ