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万博manbetx官网で「みんなの食堂」
―地域の支援者の想いがこもったクリスマスランチプレート

 12月2日(土)、万博manbetx官网の教育学部棟のラウンジで「みんなの食堂~いばだいクリスマス会」が開かれました。茨城大学と、月1回の子ども食堂を運営している「渡里 みんなの食堂 ハーモニー」との連携企画。当日は周辺地域から訪れた親子連れのお客さん約30人が、学生たちの手作りによる特製クリスマスランチプレートの食事を楽しみました。学生たちにもたくさんの学びがあったようです。

 今回の取り組みで中心的な役割を担ったのが、iOP(internship Off-campus Program)で「食」を通じたボランティア活動に参加している12人の学生たちです。加えて、前日や当日の準備や調理の作業には、ボランティアサークル?IVOのメンバーなど有志の学生たちも一緒に参加しました。

 このiOP活動を担当している教育学部の石島 恵美子 教授は、大学における家庭科教育やSDGs、「食」に関する学修を、学外の活動につなげるような取組みに力を入れています。iOPの学生たちは、水戸市堀町のフロイデ水戸メディカルプラザで月1回開かれている「みんなの食堂」の運営に関わるとともに、地域のフードバンク、フードパントリーのボランティア活動にも取り組んでいるところです。
 フロイデ水戸メディカルプラザでの「みんなの食堂」が始まったのは、今年(2023年)1月のこと。徐々に利用者が増える中で、大学のキャンパスで開催できないかという意見が出てくるようになったそう。石島教授から相談を受けた教育学部や茨城大学SDGs推進プロジェクトチームのメンバーもそのアイデアに共感し、今回の企画の実現へと至りました。

 メニューを考えたのは学生たち。12月の開催だからクリスマスの雰囲気を演出できるような特別メニューにしようと、工夫をこらしました。「みんなの食堂」には県内外の個人?団体から食材の寄附が寄せられるため、それらの内容を踏まえながら、子どもたちがおいしく?楽しく食べられるような料理を考えます。

 そうしてできたのが、トマト煮込みハンバーグをメイン料理としたクリスマスランチプレートです。

christmaspartyプレート

 ふんわり盛ったバターライスは、茨城大学農学部とコマツの共同研究で収穫した新米を炊いたもの。そこにポテトとサツマイモのサラダ、ほうれん草とにんじん炒めを添え、さらにコーンスープも付けました。家庭科の学びも活かした栄養たっぷりのランチセットです。

干し芋残渣のモンブラン

 加えて、クリスマス気分を盛り上げたのが、デザートのカップケーキです。まず驚いたのが、カップに施された装飾です。これは「Merry Christmas」の文字や、クリスマスツリー、星、リボンといった模様を、学生たちがひとつひとつ手描きしたものだそう。ケーキの最上層に載っているのは、干し芋の残渣を利用したモンブランクリーム。家庭科選修の有志の学生たちがSDGsの観点から取り組んでいる「HZP(干し芋残渣削減プロジェクト)」とのコラボレーションです。

 当日は、これらのメニューを、大人は300円、18歳未満の子どもには無料で提供しました。

 会場となる教育学部棟のラウンジの装飾は前日に済ませ、当日は「みんなの食堂」の社会人スタッフのみなさんとともに、朝9時から調理室で調理に取り組みました。学生たちにとっても、こんなにたくさんの量の調理を一気に手がけることはあまりありませんが、事前の段取りを確認しながら、手際よく進めていきます。

調理風景

 会場の入口には「いばだいクリスマス会」という手描きの看板が掲げられました。
 12時になり、予約していた親子連れのみなさんが次々と来場。テーブルは指定席で、子どもたちの席には名前入りのメッセージカードも置かれています。ラウンジに入った瞬間、あたたかな雰囲気に、子どもたちもわくわくした表示を浮かべて、自分の名前の書かれた席に座ります。

クリスマス会の看板

 学生たちがランチプレートを運び、テーブルに料理が並ぶと、「おいしそう!」という声がところどころで上がりました。その声を聞いて嬉しそうな表情を浮かべる学生たち。「メニューをご紹介しますね」と言って、想いのこもったひとつひとつの料理を丁寧に説明します。

メニューの紹介

 お子さん4人を含む6人で来場したご家族のお母さんに話を聞くと、「家族の人数が多いので、滅多に外食ができないんです。今日はこうしてみんなで来られました。こういう機会は本当にありがたいです」と語っていました。 「みんなの食堂」の開催を案内するチラシには、食材を寄附した個人?団体の名前も記載されています。当日来場したみなさんの中には、寄附者へ宛てたお手紙を持参してくださった方々もいました。「食」を通したあたたかな地域の交流が確かに生まれているようです。

食堂の来場者から受け取った手紙を手にする石島教授食堂の来場者から受け取った手紙を手にする石島教授

 「iOPの期間を利用して、家庭科の免許取得に向けて学んでいることを活かせるような、新しいことをやってみたかった」と言う教育学部?教育実践科学コース3年生の稲葉結衣さんは、「当日の調理や提供だけでなく、会場の飾りつけなど、これまで以上にいろんなことに関わることができて充実していた。『おいしい』という声がたくさん聞こえて嬉しかった」と、1日を振り返りました。 食材の寄附などを通じて、食と地域とのつながりを実感し、また、「子ども食堂」が思いのほかあたたかい雰囲気のある場だと感じた稲葉さん。将来教壇に立ったら、「狭い世界の中だけでいながら、居場所がないと感じている子どもたちもいると思う。社会にはこのような豊かなつながり、居場所があるんだということを伝えたいです」と語ってくれました。

みんなの食堂

(取材?構成:茨城大学広報室)