令和5年度茨城大学学長学術表彰式?受賞記念講演会を開催
―優秀賞2名、奨励賞1名を表彰
2月28日、令和5年度茨城大学学長学術表彰 表彰式?受賞記念講演会を開催しました。今年度は大学院理工学研究科(理学野)の中井英一特任教授、同研究科(工学野)の長山和亮教授が優秀賞を、地球?地域環境共創機構(GLEC)の増永英治講師が奨励賞を受賞しました。
茨城大学学長学術表彰は、本学において先進的?独創的な研究を実施している研究者の特筆すべき成果をたたえるものです。学会賞や文部科学大臣表彰等を受賞するなど優秀な研究成果があった者に贈られる優秀賞と、若手研究者を対象とした奨励賞があります。受賞を記念した講演会では、各受賞者が研究テーマをもとに講演をおこないました。
表彰式で太田寛行学長は「学会等で表彰を受けた先生方を広く学内に紹介する機会。頑張った成果を公表し、励ましあう取組みだと思っている。茨城大学では多種多様な研究がおこなわれていることを、この機会に多くの方に知ってもらいたい」と話しました。
各受賞者の受賞内容等は以下のとおりです。
優秀賞:理工学研究科(理学野) 中井 英一 特任教授
「変動指数をもつ関数空間」とそれを利用した解析学を専門とする中井英一特任教授は「一般化されたモーリー?カンパナート空間と関連する実解析学的研究」により、2022年度日本数学会解析学賞を受賞したことなどが評価され、優秀賞が授与されました。
中井特任教授は「数学の論文は一人で書かれる方が多いが、私は他の研究者とのディスカッションを重ねる中で刺激を受けてアイデアをもらい、研究を進めてきた。数学にとって大事なのは文献。研究が始まってから100年後にやっとわかったことがある。さらに100年後にその問題が解決するときに、自分の書いた論文が応用されるといい」と話しました。
優秀賞:理工学研究科(工学野) 長山 和亮 教授
長山和亮教授は単著論文「Biomechanical analysis of the mechanical environment of the cell nucleus in serum starvation-induced vascular smooth muscle cell differentiation(血管平滑筋細胞の分化に伴う細胞核構造変化に関するバイオメカニクス的研究)」で2021年度日本機械学会賞(論文)を受賞しました。
長山教授は「茨城大学に着任して10年。機械工学の分野でこのような内容に興味を持つ学生が少なかったが、ようやく大学院に進学してくれる学生も増え、順調に研究を進められるようになってきた。学生に負けず自ら実験?研究を続け、現役でありたい」と意気込みを述べました。
奨励賞:地球?地域環境共創機構(GLEC) 増永 英治 講師
地球?地域環境共創機構(GLEC)の増永英治講師は「沿岸域における潮汐と黒潮に起因する混合過程及び水理環境に関する研究」により、2022年度日本海洋学会岡田賞を受賞しました。
増永講師は「茨城県は海だけでなく霞ヶ浦という湖や利根川もあり、地球環境を研究するには最適なフィールド。他機関とも連携をしながら、茨城県から世界に発信できる海洋研究をおこなっていきたい」と今後の展望を述べました。