茨城大学は、2024年6月6日、東京都港区の虎ノ門ヒルズビジネスタワー内にある国内最大級のイノベーションセンター「CIC Tokyo」に、東京サテライトオフィスをオープンしました。茨城大学の教職員や学生と経営者?投資家とのコミュニケーションを促進し、大学発スタートアップの創出?支援の取り組みを加速化させます。

　大学発スタートアップの活性化が期待される中、全国の大学では、それぞれの地域を基盤として、各種ベンチャーキャピタル等とのネットワークを意識したプラットフォームの構築や参加の動きが進んでいます。茨城大学では、茨城県におけるスタートアップ支援の取り組みや筑波大学との連携を踏まえ、両者も関わっている「Greater Tokyo Innovation Ecosystem（GTIE：ジータイ）」というプラットフォームに参加し、経営者や投資家、他大学等とのコミュニケーションを重ねてきました。

　本学ではこれまでの経験を踏まえ、大学の有するシーズを活用したビジネスの創出と活性化にあたっては、研究者自身が単独で経営を手がけることには限界があり、外部の経営者人材とのマッチングが重要な鍵となるという認識を強めてきました。実際、茨城大学発ベンチャーとしての称号を最近付与した(株)エンドファイトや（株）DEVELOPTONIAといった企業も、本学の研究者?研究内容にポテンシャルを見出した外部経営人材とのマッチングが起業につながり、いずれもビジネスの拡大が見込まれています。また、それによって、研究者自身は研究の発展に活動を集中させることもできます。

　こうした経緯を踏まえ、本学として経営者や投資家との活発なコミュニケーションを促す環境を戦略的に整備するべく、業種の枠を超えた290社が入居するイノベーションセンターである「CIC Tokyo」内に、サテライトオフィスを開設しました。まずは、茨城大学が進めるカーボンリサイクルの研究成果の実装など、戦略的ないくつか取り組みをベースとする事業創出に注力します。

研究?産学官連携機構（iRIC）の酒井宗寿准教授

　茨城大学研究?産学官連携機構（iRIC）の酒井宗寿准教授は、「スタートアップ創出の実績を上げている国内大学では、教員数に対して5％程度の数の大学発ベンチャーを立ち上げている。茨城大学でも、それと同等の5％、件数で25件程度の起業をまずは目標にしたい。しかし、単に数を追うのではなく、東京サテライトオフィスの機能やGTIEのネットワークを最大限活かしながら、質を伴った形で着実な大学発ベンチャーの創出?育成を手がけていきたい」と意気込みを語っています。

茨城大学東京サテライトオフィス

〈開設日〉
　2024年6月6日（木）
〈住　所〉
　東京都港区虎ノ門1-17-1
　虎ノ門ヒルズビジネスタワーCIC Tokyo内（16階）
〈広　さ〉
　7.71平米　※その他ミーティングルームの利用等