バングラデシュやインドの衣服の生産現場と労働のジェンダー問題
- 2023年1月 5日
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- グローバル
- 人文社会科学部
- 研究
人文社会科学部の長田華子准教授は、衣服の生産と女性の労働問題に関心をもち、ダッカ大学留学中に習得したベンガル語を使って現地の女性たちとコミュニケーションをとりながら、バングラデシュの女性の就労上の問題や女性たちが得る収入が女性やその家族にどのような影響をもたらしているのかなどの実態調査をおこなっています。バングラデシュは、中国に次ぐ世界第二位の衣服の輸出国として知られており、近年日本にも多くの衣服を輸出しています。
2016年1月に上梓した「990円のジーンズがつくられるのはなぜ?」(合同出版)では、日本に住む私たちの生活は、時給20円程度で働く女性労働者と彼女たちが生きるバングラデシュ社会の犠牲の上に成り立っていることを解き明かしています。同時に、バングラデシュの衣服産業の問題が解決されない大きな理由の1つには、先進国と途上国との非対称な権力関係にあるといい、この関係性をどのように変革することができるかが鍵だと指摘します。
最近では、インド西ベンガル州でも同様の研究を行っている長田准教授。衣服の生産現場を調査すると、貧困、ジェンダー、格差といった問題が見えてくるといい、日本に住む私たちに、その実態を伝えています。
担当者
人文社会科学部 准教授 長田 華子
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