幼児期における書字指導と教材開発
―「不器用な」子どもたちを科学的なデータで支援する
- 2023年1月13日
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- 教育学部
- 研究
教育学部の勝二博亮教授は、幼児期における書字習得のメカニズムなどを明らかにしようと、生体機能計測を用いた科学的な調査から、学習困難に直面する児童を支援しています。その教材開発に取り組みながら、学齢期へのスムーズな移行が図れる仕組みづくりに奔走しています。
勝二教授の研究対象は、働きかけても反応の有無の判別が難しい重度?重複障害がある子どもたちから、これまであまり支援の対象にならなかった発達性協調運動障害がある、いわゆる「不器用」な子どもたちまで幅広いのが特徴。
研究アプローチは、生体機能計測を駆使した手法によるものです。茨城大学での生体機能計測での研究は、30年以上の長い歴史を持ち、その実績を引き継ぐ形で勝二教授の研究は展開されています。対人コミュニケーションを行う際の特徴を視線情報から探ったり、脳の血流変化から選択判断能力を測定したりと、国立大学の教育学部としては類がないという充実した研究機器を用いて、貴重な数値を得ていきます。
「対面調査やエピソードなども大事なデータですが、行動の特徴を脳波や脳血流、心拍などの数値的なデータで裏付けできたら、もっと総合的な支援ができるのではないか」と勝二教授は言います。
また、文字の読み書きに困難をきたす児童に着目し、幼児期から学齢期への移行支援として、書写書道教育が専門の齋木久美教授と協力し、ひらがな書字の習得の仕組みを精査する研究も。ひらがなや漢字の書字にかかわる認知機能を調べたところ、線引き技能や模写技能、空間認知能力など、複数の認知要因が関与していることが明らかになりました。勝二教授はこうした知見をもとに、ひらがな書字の習得アセスメントツールを開発し、就学直後のひらがな書字指導時の支援を試みています。
担当者
教育学部 教授 勝二 博亮(しょうじ ひろあき)
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