茨城大学農学部は3月19日(火)、茨城県農業関係高校校長会、JA共済連茨城とともに「茨城県農業関係高等学校の農業後継者育成及び高校の教科農業の教員人材育成に関する覚書」を締結しました。
今後農学部では、高等学校の教科「農業」の教員免許取得に関係する科目において、高等学校や農家の現場での教育活動を充実させるなどして、農業の教員人材育成などを強化していきます。
農業に関わる人材の育成が喫緊の課題となる中、高等学校や大学で農業を専門的に学ぶ若者には非農家出身者も少なくはなく、学校教育の中で農業体験や若者同士の交流を積極的に図っていくことが求められています。
そこで茨城県農業関係高校校長会、茨城大学農学部、JA共済連茨城の3者は、農業を学ぶ高校生と大学農学部の学生とが交流する機会を創出するとともに、農家の訪問を通じた現場での体験の充実化を進めるため、協働での取り組みに関する覚書を締結することとなりました。
具体的な取り組みとして、令和6年(2024)度に実施される本学農学部の「農業科教育法Ⅰ」の講義において、茨城県立水戸農業高等学校での交流会や、独自の栽培法による栗の生産を手がけている笠間市のあいきマロン株式会社を訪問しての課外学習などを実施する予定です。
3月19日に水戸農業高等学校で開催された締結式には、茨城県農業関係高校校長会の藤田和文会長、JA共済連茨城の飯田高久県本部長、茨城大学農学部の宮口右二学部長の3人が出席し、協定書に署名を行いました。
締結式後には、宮口学部長が水戸農業高等学校の生徒たちへ向けて、「茨城農業を支える人材の育成のために」というテーマで講演を行いました。講演では、茨城の農業の強み、食料生産の重要性について話をしたのち、多様な農業の課題に対する茨城大学農学部の取り組みを紹介。最後に「今回の協定締結をきっかけにして、皆さんには多くの経験をしてこれまで以上の学びを得てほしい」と呼びかけました。
宮口学部長の話を聞く高校生たち
JA共済連茨城の飯田県本部長は「業界の課題である人材育成に携わることができ、大変感謝している。若い方々には農業に興味をもってもらい、魅力的な農業を実現させたい」と強い意気込みを示しました。
また、茨城県農業関係高校校長会の藤田会長は「学校での学習はあくまで基礎。今後は経営感覚を意識した農業教育を進め、それを応用して茨城農業のブランド化を展開していく必要がある。未来を見据えた農業従事者を増やすきっかけにしたい」と今後の期待を述べました。
水戸農業高校の生徒と参加者による記念撮影
(取材?構成:茨城大学広報室)